【まだ間に合う!】飲食店は「すぐ」ビジネスモデルを見直そう!
緊急事態宣言が解除されて数日が経ちますが、まだまだコロナの影響は根深く、飲食店が大変なことになっています。
ちなみに自分も飲食店をいくつかやっていましたが、小池知事が3月末に「感染爆発の重大局面」と仰った瞬間に全店の営業を止め、その週のうちに全店休店では無く閉店、と決めました(その後別の事情で一店舗だけ再開することになったのですが)。
その時決め手になったのが、どうしても人と人とが近い距離でやるビジネスである以上、ワクチンが普及するまで根本改善はされない!という考えからでした。
今思えば少し決断が早すぎたか・・・?という気持ちもあるのですが、とはいえ既に撤退を伝えてしまっている以上仕方無いと割り切っております涙。
さて、飲食店経営から少し距離をとるようになって見えるようになったのが、飲食店のビジネスモデルの問題点です。
結論から言いますと、これからの時代は既存の飲食店ビジネスモデルで事業を成立させることは難しいです。
それは、飲食店ビジネスの収益性は今後も悪化の一途を辿ると考えられるからです。
自分の会社は儲かっているよ!という飲食店の方もいらっしゃると思いますが(僕も以前そうでした)、それはあくまで飲食店の中での話であり、そもそも他業界と比較するとやはり圧倒的に儲かりません。
また、仮に本当に儲かっているとしても、延々と労働力を投入し続けることにどこかで疲れてしまい、よほど飲食店を好きでやっている人以外は減速してしまうでしょう。
このブログでは「飲食店をビジネス拡大の手段と考えている方」に向けて、既存の飲食店ビジネスがなぜ難しいのか、そしてそれを踏まえてこれからの飲食店ビジネスはどうしていくべきなのか、を独自の視点から解説します!
僕は脱落してしまいましたが(T ^ T)、今でも毎日お客様を相手に頑張っていらっしゃる方々に少しでも新しい視点を、と思いブログに記すことにしましたので、業界関係者の方や飲食店以外のストアをやっている方に役立ててもらえればと思います!
Contents
1.既存のビジネスモデルを捨てるべき理由
よく言われていることも多いと思いますが、まずはざっくりと今の飲食店ビジネスが抱える問題点を記します!
1-1.プロフィットセンターである店舗の収益性が下がった
飲食店ビジネスは基本的にお店での労働以外で利益を生み出すことができません・・・。
しかし以前と比較して、今の飲食店は利益を出しにくい状況になっています。
その背景にあるものは以下の3点の変化です。
- 食材の高騰
- 人件費の高騰
- 外食離れ
僕が飲食店をやっていた10年の間だけで考えても、本当に大きく社会が変わりました。
まず食材の高騰についてですが、以前とは比較にならないくらいに上がっています。
当社では価格の上がり幅が大きい食材を使わないようにするなどの工夫により調整してきましたが、事実として物価の高騰による原価率アップは凄まじく、以前と同じ商品を同じレシピで作成しても原価率は維持できず、利益を圧迫するようになりました。
次に人件費です。
東京都ではここ10年で最低賃金が時給で113円上がっています。
単純計算で10%以上時給が上がった訳なので、アルバイトさんを中心に営業を行っている飲食店にとってそのダメージは小さくありません。
社員さんに関しても働き方改革などにより労働時間が減ったため労働単価は大きく上昇しており、おまけについ先日までは採用も困難だったので給与額を上げざる得ない状況でした。
また、マーケットの外食離れも深刻です。
会社宴会の減少や中食の浸透などでお店で飲食する機会が減ってしまい、結果的に縮小したパイの中でのシェアの取り合いが発生し、販促費比率が大幅に上がってしまいました。
このように飲食店を取り巻く環境は大幅に変化しており、個店での収益性は大きく下がってしまいました。
プロフィットセンターである店舗の収益性が悪くなったことは飲食店ビジネスをする会社にとって何よりも大きな問題と言えるでしょう。
1-2.本部や現場の管理工数が圧倒的に増えた、そもそも多い
これもここ数年で大きく変わったことだと思います。
近年の変化で言えば、キャッシュレス決済の導入や様々な販促媒体の浸透により、とにかく本部や現場の管理工数が莫大に増えました。
キャッシュレス決済端末を導入しようと思うと工数が掛かり、適切に処理されているかどうかをチェックしようとすると工数が掛かり、販促媒体を導入しようと思うと工数が掛かり、販促媒体の編集をしようとすると工数が掛かり・・・。
飲食店を取り巻く環境に対応しようとするほどに作業人時が必要になっていく訳です。
ただでさえストアビジネスは、利益を増やそうと思うと自社で店舗数を増やすか、フランチャイズビジネスをして増やすかにより売上を拡大していく以外、選択肢がほとんどありません。
そうすると店舗数・人員数の増加に合わせて本部の管理工数がどんどん増えていきます。
その上店舗ごとに所在地が異なることにより何をするにしても管理しにくい。
工数=人件費であり、元々管理工数が多くなりがちな業界であるにも関わらず新たに管理工数が増える理由もできたため、店舗の収益性が落ちている中で管理機能まで支えようとするとどんどん薄利になっていく訳です。
1-3.優秀な人材の獲得が難しい
そんな中でポテンシャルの高い人を獲得できるかというと、そうですらありません。
そもそも新卒の方に人気がある業界でも無い上に、収益性が下がったことで労働環境の整備ができず、働きたいと思ってもらいにくいままになりがちです。
また、仮に一定期間働いてもらうことができても、単純に飲食店を増やしていくだけというビジネスモデルにずっと強いモチベーションを持ち続けることが難しく、労働集約型では無い別のより効率的な業種に転職するということも多々発生してしまいます。
そして何より収益が低いので会社を発展させるような他分野からの人財獲得に費用を割くことが難しい。
だから全く別の業種の視点を入れて事業開発することもできず、旧来からのビジネスモデルに依存する形にもなってしまいがちです。
更に、仮に採用できても労働環境の不備などから退職者が発生し続け、悪循環は続きます。
2.これからの飲食店ビジネスの在り方
勿論他にも色々な問題点はあるのですが、これらの問題点を踏まえ、僕が考える飲食店ビジネスの今後の在り方について自分なりに提案させて頂きます。
常識と異なる少し?な考え方に見えるかも知れませんが、最後まで読めばご理解頂ける内容かと思います!
2-1.店舗収益性の向上
収益を確保することが難しい時代になったとは言え、そもそもは飲食店でビジネスを膨らませることが絶対に必要ですので、まずは収益性を徹底的に向上させるための手段を記します。
こちらの内容はそれぞれブログ1本書けてしまったためw、リンク先にて詳細をご覧下さい!
2-1-1.損益シミュレーションを行う
飲食店はまだまだ思い込みや感覚値に依存している部分が多く、営業が場当たり的に行われがちです。
代表的な飲食店の思い込みが、
- 売上を増やさなければ利益は増えない
- だから売上をとにかく増やさなければならない
この2つだと思います。
飲食店経営に限らずビジネスの目的は利益の最大化です。
思い込みを排除するためにも数字ベースでゴールを明確化し、不要なことに1円も1分もお金を掛けないことが最も大切です。
店舗の損益計算は実際にシミュレーションしてみないと絶対に想像できません。
飲食店に限らずストアは必ずシミュレーション作成による目標・ゴールを明確化すべきです。
詳細はコチラ↓↓
ストア改善[1]ゴール思考で店舗運営!仮想損益計算のメリット
2-1-2.やるべきことを減らし具体化する
これも捉え間違ってしまうことが多い事象なのですが・・・、前述の通り、工数が掛かるということは、「人件費が掛かる」ということに他ありません!
ですので、自分が沢山働けば・皆に沢山働いてもらえば、とか、サービス残業すれば・サービス残業してもらえば、とか、人を雇えば、といった場当たり的な考えで賄おうとするのは思考の放棄であり、仮に一時的にはそれで人件費が浮いたように見えても、長い視線で見ると人の退職に繋がり育成コストや採用費の垂れ流しに繋がります。
ですので、売上獲得に対するROI(投資対効果)が低いことは一切やめ、会社全体で発生する工数を徹底的に減らし、どんどん経営内容をスマートにしなければ本質的には解決されません!
やるべきこと(Must)とそれ以外(Want)を大胆に区分けしてやるべきことをシンプルにした後は、それらをフォーマットやマニュアルにして具体化し徹底する方が、中途半端に色々なことに手を付けるよりよほど効果が出ます。
詳細はコチラ↓↓
ストア改善[2]経費&負担軽減!2:8の2以外は今やめよう!
2-1-3.接客を磨く
1人のお客様が生み出して下さる売上を最大化させることだけが、経費を掛けずに売上を最大化させる手段です。
そのためにはスタッフ個人の持つポテンシャルに依存せず、理論に沿った誰でも実施可能な「プロの接客」を全スタッフに徹底的に教えることが必要です。
では、プロの接客とは何かというと、基本的な接客術に加え、今では心理学に基づいたアプローチをすることが最も効果的であると考えられます。
最近では基本的な接客がしっかりとできるお店自体が減っていますので、その基本は抑えた上で心理学的に効果が高いおもてなしをすれば大きく他店と差別化が可能です。
詳細はコチラ↓↓
ストア改善[3]お客様がお客様を呼ぶ!自動集客店舗の創り方!
2-2.本部機能が大きくなる前に一度出店を止める
どんなに店舗の収益性が向上しても、店舗数が増えると本部での莫大な工数が発生します。
結局店舗で生み出すことができた利益が本部費でトントンに、なんてことになりかねません。
とは言え前述の通り、今の飲食店の収益力では、儲け続けながら事業を成長させることは至難の業です。
ですので、本部を1人の管理部門担当者だけで回せる規模で一度出店を止めましょう。
過去の経験値から考えると、よほど良い立地に出店するので無い限り大体3店舗くらいまでで一度抑えておくのが妥当で、2-1.の内容を徹底的にやっていれば利益率を20〜30%出しながら無理せずに運営ができると思います。
そしてその間に「店舗だけでお金を生み出すビジネスモデル」」から脱却する準備を進めましょう。
その内容が2-3.になります。
2-3.相乗効果のあるプロフィットセンターを増やす
お客様と直接会う機会が多いストアビジネスには、あまり気付かれていない特有の財産があります。
それが顧客情報です。
多くのビジネスが顧客情報を獲得しそれを運用して儲けようとしていますが、なかなか見込客を獲得することができず悩んでいます。
その理由は、顧客情報があくまでWEB上の情報でしかなく、顧客との信頼関係構築が難しいからです。
しかしストアビジネスにおいては、店舗でコミュニケーションを取っているため他業種と比較して信頼関係が構築しやすい、むしろ顧客情報を得るプロセスで既に信頼関係が構築できているというメリットがあります。
信頼関係が構築された上で店舗で得た顧客情報はただの顧客情報ではありません。
店舗でのリピーター化のための必要な手段でありながら、別のビジネスにスムーズに転用可能な顧客財産と呼ぶべき価値のあるものです。
この「顧客財産」を活用しビジネスを多重構造化することで店舗で生み出せる以上の収益を生み出せば、管理部門を強化して店舗数を拡大することも、軸足をそちらのビジネスに移行することもできるようになり、選択肢が増える訳です。
勿論、顧客情報は非常に機密性の高いものですので取り扱いに注意が必要です。
とは言え、店舗には店舗にしか獲得できない運用価値の高い資産がある訳です。
これを理解し、相乗効果のあるビジネスで未来を構築していくことは、今からのストアビジネスにとって最も効果的なアプローチと言えるでしょう。
詳細はコチラ↓↓
如何でしたでしょうか。
まずはこの記事を読み返しながら、順番にあなたのビジネスを改善に繋げて下さい!
1年後にはきっと良い未来が待っていますよ!^^