脱!店舗数依存!ストアはビジネスの多層構造化に着手しよう!

Pocket
LINEで送る

ビジネスモデル・多重構造

飲食店を何店舗もやっていた頃に物凄く悩んだことが、事業を拡大するためにはやはり店舗を増やさなければならないのか?ということでした。

飲食店経営者の方々が出店を続ける中、自分はそれを望んでいるのか?やりたいのか?という疑問を持ち続けていたように思います。

しかし、周囲の期待や社員の待遇の改善を考えると「このままでいる訳にもいかない」と思い、他の方法も考えつかず、出店しなければ!と自分を鼓舞し続けていました

今になって振り返ると、様々なしがらみに囚われていたなぁと感じます笑。

 

お店の数を増やすことが悪だなんて全く思っていません。

その道に向かって邁進できる人はそれが進むべき道だと思うし、正直羨ましいとすら感じます!

ただ、僕と同様に事業を店舗数でスケールすべきか悩んでる経営者の方がいるとすれば、恐らくそっちに進むことに抵抗があるのでしょう。

だって、物凄く大変ですからね・・・。

そんな方々に、少し違う方向性もあるよ、とお伝えできればと思います!

 

ちなみに、これは他のビジネスをしている方も同じです!

人って責任感や義務感から「〜するしかない!」とよく思い込みがちですが、本当はそんなことは絶対になくて、どこかにもっと自由で楽しい道があるのにその選択肢を自分で潰しているだけです!

色々な方の選択肢を広げる一助になればと思います!

少し難しい内容になっておりますが、是非ご覧下さい!

 

なお、先にこちらの記事をご覧頂くことをおすすめします!

詳細はコチラ↓↓

【まだ間に合う!】飲食店は「すぐ」ビジネスモデルを見直そう!

 

Contents

1.飲食店ビジネスはなぜ店舗数を増やすのか?

飲食店経営から距離を置くようになってから考えたので自分に転用できなかったのですが笑、飲食店ビジネスが店舗数を増やす理由はそれ以外にスケールに繋がる経営資源の再投資先が見つからないからだと思います。

事業をスケールするためには、経営資源を強くし、それを再投資し、また強くし、という作業を繰り返すことが必要ですが、飲食店ビジネスは出店以外に選択肢が無いんですよね。

まずここでは経営資源ごとに再投資先になり得るのかどうか、個人的な意見ではありますが説明させて頂きます!

 

1-1.「ヒト(人)」は再投資先になるのか?

飲食店ビジネスに携わった人なら分かると思うのですが、正直、習得できるスキルが非常に限定的です。

どの仕事でもそうと言えばそうなのですが、飲食店は特に、培った能力を活かせる先が他のストアか、ストアビジネスに関わる周辺業務くらいです。

余程カンの良い人でない限り基本的には労働集約型のスキルしか習得できません。

労働集約的スキルが悪いと言いたい訳ではなく、むしろ店舗数でスケールするためには必要な力です。

だから飲食店は店舗数でスケールする道に進む訳ですね。

ですので、もし別のビジネスでスケールするとなるとそのためのヒトは外から連れて来るしかありません。

ですが、そもそもの収益性を上げないと人材獲得に投資するカネ自体が生まれないため難しい上に、明確なビジョンが無ければアウトソーシングしていた業務をインハウス化するだけに止まってしまい、スケールには繋がらないと思われます。

もし再投資するカネと明確なビジョンがある場合は、自分たちで別事業を立ち上げる際にパートナーを見つけそこに再投資することが妥当だと思われます。

ノウハウ開発する時間に限界がありますので。

そういう意味では店舗数以外のスケールを目指す場合でも、ヒトは再投資先になり得ると思います!

 

1-2.「モノ(物)」は再投資先になるのか?

飲食店においてのモノの代表が店舗ですね。

飲食店ビジネスはスケールするための再投資先としてここにずっと的を絞っていると思います。

それ以外だと料理・飲料または店舗の内外装・厨房機器くらいですが、いずれもスケールのための再投資先としてはあまり適さないです。

仮に良い食材を仕入れるようにしたからといってそれが会社の資源を大きくする訳では無いためです。

必要なシステムの導入などに適切な再投資をするのは妥当だと思いますが、店舗数以外でスケールするための再投資先としてはあまり有効とは言えないでしょう。

 

1-3.「カネ(金)」は再投資先になるのか?

飲食店は入金はすぐですが出金が翌月末なので、お金をストックできる期間があると言えばあります。

ですのでその間にカネでカネを生み出していくことは理論上できなくはありません

とは言えそもそも薄利な上に、ほとんどの飲食店がちょっと車輪の大きな自転車操業で経営しているので、相当上手に運用できないと有効とは言い辛いように思います。

 

1-4.「情報」は再投資先になるのか?

飲食店が持って価値が生まれる可能性のある情報は顧客情報です。

店舗のスタイルにもよるのですが、人間関係が構築できるような店舗では顧客情報はただの情報ではなく財産になり得ます

WEB上で顧客情報を有効活用しているGoogleやアリババとはサイズ感が全く違いますが、実際にお客様と対面していることでエンゲージメントに繋げやすいため、高密度な情報にはなり得ると思います。

とは言え、再投資してスケールに繋げるとなると、飲食店単独では難しいように思います。

それ以外のレシピ等についてはスケールに繋がる再投資先にはなりにくいでしょう。

 

1-5.「時間」は再投資先になるのか?

店舗数以外でスケールする場合、時間に再投資するのであれば、再投資先は「カネ」の項目に記した次のビジネスの明確なビジョン創りかなと思います。

とは言え、次のビジネスを考えるための時間に充てても、店舗数以外のスケール方法を考え出すとなるとそうそう思いつきません。

まぁ、社長や事業のトップの本来の仕事はこれと言えばこれなので、やってみる価値はありますし、やっている人は当然にやっており、素晴らしいことだと思います!

 

1-6.「知的財産」は再投資先になるのか?

知的財産で店舗数以外のスケールを実現した方々は結構いらっしゃいますね

自分たちが店舗をやっていて気が付いたことをシステム化したり、マーケティング能力を販売したり。

ただ、この分野は飲食店の周辺だと少し飽和状態になりつつあるものも多いのかな、と思います。

割とコピーしやすい上に、無料のツールが増えてきたりもしているので。

とは言え、未開拓な分野や独自性の高いノウハウを持っている方にとっては知的財産の枠は再投資先としてアリだと思います!

経営資源としての知的財産には、組織や人材やネットワークなどの強み全般を含みますので、せっかく飲食店をやっているのであれば自分たちの飲食店ならではの知的財産を科学したり哲学したりするのは非常に大切だと思います!

 

2.有効な再投資先とは?

こうなると自ずと絞られてくるのですが、大きくは2つです。

従来のスタイルである店舗数によるスケールか、それ以外でのスケールか。

今回最もお伝えしたいことは、それ以外でのスケールの方向性なのですが、まずは店舗数によるスケールについて言及させて頂きます!

 

2-1.店舗数によるスケール

改めて検証してみて、飲食店が店舗数で事業規模拡大しているのは妥当だと感じました!

店舗数が多くなることにより仕入れ値が下がるとか、ブランド認知が上がるとか、動かせるお金も大きくなり、多方面で相乗効果も生まれます。

ただ、数が増えると均一化されたオペレーションで統制せざるを得ないことにより悩ましい部分もあると思います。

  • 没個性の店舗が量産されてしまう
  • 業態で変化をつけ続け無ければならない
  • トレンドが終わると影響が大きい
  • 「情報」や「知的財産」を生み出すような人材は育ちにくい

こちらの方向に行くのであれば止まらないで突き進むことが大事だと思われます!

 

2-2.新しい飲食店ビジネスモデル構築によるスケール

個人的には今後は新しいビジネスモデルを構築していくことが、飲食店ビジネスには必要だと考えております!

 

2-2-1.何故今変わるべきか?

これは単純な話で、社会の変化に対応する必要があるためです。

今後の社会の変化を並べると、

  • 少子化による就労人口の減少と働き方の多様化
  • 景気後退や人間関係の変化による外食機会の減少
  • 疫病などに対するリスクヘッジの必要性
  • 大きなビジネスチャンスの顕在化

つまり、既存のビジネスモデルにしがみつく理由はなくなりつつあり、新しいビジネスモデルを構築するだけのメリットやチャンスが生まれている訳です。

適者生存という言葉がありますが、今こそ方向性を変えていくことを視野に入れ、適者に変わるべきタイミングなのでは無いでしょうか?

 

2-2-2.ではどう変わるべきか

ここまでの内容を整理すると飲食店が店舗数以外でスケールする場合のキーとなる再投資先は以下になります。

  • ノウハウのあるパートナー
  • 顧客財産化させた顧客情報
  • 新ビジネス立案のための時間
  • 飽和していない分野の知的財産

僕はこれらを徹底的に活かして、飲食店というフロントエンドと、相乗効果のある収益性の高いバックエンド、最低でもこの二重構造を構築していくことが今後は重要だと思います!

なぜなら、【まだ間に合う!】飲食店は「すぐ」ビジネスモデルを見直そう!というブログでも書いた通り、今の飲食店の収益性では大きくなっていく本部機能を抱え込むことが難しく、店舗数を増やしても利益を増やしていくことができません。

そしてこの流れは今後どんどん加速していくと思われます。

 

そのような状況の中、飲食業界以外に目を向けると、多重構造化されたビジネスモデルがいくらでもあります

むしろ、そういったビジネスモデルを構築している会社だけが大きく成長しているとすら感じます。

 

仮に収益性が高いバックエンドを創ることができれば会社の本部機能を強化し、フロントエンドである店舗を広げることも、バックエンドでビジネスを拡大することもでき、選択肢自体が広がる訳です!

様々なチャネルを通してありとあらゆるサービスが売れるようになった現代です。

物凄く大きな可能性を秘めていると思います!

是非、上述した再投資先を参考にして頂き自らのバックエンドビジネスを構築して頂ければと存じます!

 

 

以上です。

新しい可能性にチャレンジしていく飲食店を応援すべく、様々なブログを発信しておりますので、今後も是非ご覧頂ければと思います!

長文でしたが最後までありがとうございます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です