ストア改善[1]ゴール思考で店舗運営!仮想損益計算のメリット
コロナ禍で通常運転が難しい状況が続いており、それに伴い多くの飲食店やストアが未来に不安を抱えていると思います。
さて、人はなぜ未来に不安を抱えるか、それは未来のことが分からないからに他ありません。
未来しかり、幽霊しかり、他者の自分への心情しかり・・・、人は「分からない」ものに対して恐怖を抱くようです。
しかし、ここで考えなければならないことは、実は将来のことは「誰にも」分からないということです。
にも関わらず、未来に不安を抱えて生きている人とそうでない人とがおり、それが人生の幸福度を大きく分ける要因になっているようです。
両者の一番の違いは、「未来を自分で決めているか・いないか」です。
不安を抱えていない人は自分でどうあるべきか・どうありたいかを決めているだけの話で、その方向に邁進し実現するまでやるので決めた未来を手に入れることができ、逆に不安を抱えている人は自分で未来を決めず、結果論として不都合な未来を受け入れている傾向があるようです。
自分で決めた未来に向けて死に物狂いで努力する人と、漠然とした方向に向けて努力する人を比べれば、生み出される成果に差が生まれるのは当然で、それが時間やお金や対人関係の満足度の多寡に繋がっている訳ですね!
さて、少し大袈裟な話になってしまいましたが、今回は飲食店・ストアの未来への不安を払拭するための方法を説明させて頂きます!
上述した内容と方向性は同じで、要はお店をどういう方向に持っていくかを明確に「決める」ことが大切で、そうすれば不安に怯えずにその実現に打ち込めるということです。
つまり、ロジカルシンキングでいうところのゴール思考を店舗運営に持ち込むという考え方です。
ゴールを決めたからといって常に順調に物事が進むとは限りませんが、目標を明確化しその方向に向けて正しい努力をしていれば当然実現可能性は上がります。
また、決めたゴールの実現に向けたアクションしか起こさなくなるため、無駄が無くなり効率的に運営が出来るようになります。
まずは決めることが大事ということだけご理解頂き、以下の内容をご覧下さい!
Contents
1.そもそも損益計算書とは
もともとは1年の納税額の算出を目的として作成されていた損益計算書ですが、昨今ではビジネスの健康状態を確認するための重要なツールとして活用されるようになってきました。
そんな中、飲食店ビジネスでは損益計算書の価値がまだまだ浸透していないように思われます。
損益計算書の基本をマスターせずに収益改善はあり得ないと断言できるため、もし損益計算書について曖昧な方は、以下のリンクをクリックし、この機会に必ず基本を習得しましょう!
もし理解できているという方は、先へ読み進めて下さい!
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さて、この後の内容を分かりやすくするため、前提として当ブログでは飲食店に関わる重要な経費項目を中心に5つに分類しています。
その5つの経費とは、以下のようになります。
- F(Food)→商品原価。食材や飲料などを購入するために支払う経費のこと。
- L(Labor)→人件費。社員さんやアルバイトスタッフさんの給与として支払う経費のこと。
- R(Rent)→家賃。お店を借りるために毎月支払う経費のこと(駐車場などがあれば含むことも)。
- P(Promotion)→販促費。集客・販売促進のために支払う経費のこと。
- その他経費→水道光熱費・通信費・減価償却費など上記4項目以外の全ての経費のこと。
F/L/R/Pという大きな経費で全体の何%の構成比を占めるかを一つの目安とするため、このように分類しております。
以上を共通認識とした上で以下をご覧下さい!
2.仮想損益計算書=PL Simとは
本来なら損益計算書とは、「過去」の結果を示した帳票です。
それに対し仮想損益計算書=PL Simとは、「未来」のあるべきゴールを明確にするためのツールとなります。
なお、PL=Profit and Loss statement(損益計算書)、Sim=Simulation(シミュレーション)の略語となります。
2-1.PL Sim活用のシチュエーション
例えば昨今だと、テイクアウトやデリバリーをするべきなのか?お店を閉めた方が良いのか?といった、今後どうすべきか悩むシチュエーションがあったと思います。
その時悩んだ理由は、どちらが利益が出るのかが分からない、もしくはどちらがダメージが小さいか分からないからであり、それが分かれば判断がしやすいですよね?
こういう時にPL Simを作成すれば、数字上どちらが有効かを明確化させることができ、未来の方針を決める判断材料になる訳です。
上記の例で言うと、PL Simを作成した結果が仮に「テイクアウトはするべきだがデリバリーは手数料が高くて儲けに繋がらない」というものだったとしましょう。
そうすると最初からデリバリーを実行する必要が無くなり、デリバリーのための工数は一切発生させずに済む(=無駄の発生を予防できる)ようになる訳です。
このようにPL Simを作成していると、売上を取るために必死に販促費を投下していたのに、販促をやめて売上を減らした方が人件費も下がり利益が大きくなる!なんてことがあったりします。
販促のページづくりを必死にやっていたのに頑張りが逆効果だった!といういわゆる「無駄な努力」をしていたことが分かると脱力します笑。
売上を取らないといけないという思い込みは怖いと感じたことが一度や二度ではありません。
また他にも、全く損益構造の異なる新しい店舗や業態を立ち上げる際の損益分岐点売上高に至るための日別の集客の目安なども決めることができるようになるなど、使い方は色々です。
要は、ゴールを決めないで着手したアクションは間違っている場合が多く、それが無駄や無理を生み出している可能性があるということです。
ちなみに僕は、小池知事が3月末に「感染爆発の重大局面」と会見した瞬間に全店の営業を止め、その週のうちに全店休店では無く閉店しました。
その決断の際にもPL Simを作成しました。
PL Simを数ヶ月分作成し、コロナが続く中で継続する場合と閉店する場合、どちらが会社にとってダメージが小さいかを検証し、お店を閉店することを決断した訳です。
2-1.PL Sim作成のメリット
整理するとPL Sim作成のメリットは、
- 事前にどれくらいの利益が生まれるかを見積もることができる
- PL Simと実績を比較することで課題を洗い出すことができる
- ゴールが明確化することで「やめるべきこと」「やるべきでないこと」が具体化できる
- 損益構造を変えた場合にどうなるのかを事前に予想できる
- 複数の選択肢から方針を決定する際に最も効果的な手段を選択できる
また、数ヶ月分のPL Simを作成して中期的に取り組む内容が明確になると、
- チームの目標が明らかになりチームビルディングに繋がる
- 採用の目標・計画が立てられる
- 育成の目標・計画が立てられる
更に、日常的にPLを活用するようになるため、
- 儲ける力が身に付く
- 損益計算書を読む力が身に付く
- 事業計画の作成能力が身に付く
- キャッシュフローの先読み能力が身に付く
これくらいのメリットはあるように思います。
2-2.PL Simの作成手順
今回は簡易版のSimシートを使用し、以下の動画にて説明させて頂きます。
詳細はコチラ↓↓
これだと作成手順中心になっており、メリットが分かりにくいかもしれません。
そういう方は是非こちらのブログもご覧下さい!
売上を100万円下げて利益を上げた事例などが記載されており面白いかと思います!
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ちなみに動画で使用しているPL Simが本当に簡易版で恐れ入ります。
もしより詳しい内容が知りたい方はLINE公式アカウントからお申し付け下さい。
如何でしたか?
飲食店経営は割と他業種と比較すると感覚値で行われている部分が多いです。
その結果、やらなくても良いことをやっていたり、効果の高いことに集中できていないという状況が発生してしまい、結果的に儲けが最大化できていません。
折角の努力を正しい方向に向けるためには、まず何処を目指すことが正しいのかを決めましょう。
PL Simがその一助になればと思います!
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